「朝起きると首や腰が痛い」「寝ても疲れがとれない」「枕が合っていない気がする」――睡眠は身体が回復する大切な時間ですが、寝姿勢や枕が合っていないと、かえって身体に負担がかかることがあります。
この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、身体が回復する睡眠のための寝姿勢のポイントと枕の選び方を解説します。高価な寝具を買う前に、まず押さえたい基本をお伝えします。
睡眠と身体の回復の関係
睡眠は、身体や脳を休め、日中の疲れを回復させる時間です。質のよい睡眠は健康づくりの土台とされており、寝ている間に良い姿勢が保てるかどうかも、首・肩・腰の状態に関わってきます。
日中の姿勢の基本は姿勢の基本記事で解説していますが、人生の約3分の1を占める睡眠中の姿勢も、同じくらい大切です。
身体にやさしい寝姿勢のポイント

あおむけ寝
体重が分散され、背骨の自然なカーブを保ちやすい姿勢です。ひざの下に薄いクッションを入れると腰の反りがやわらぎ、楽になることがあります(反り腰が気になる方に)。
横向き寝
いびきや腰の負担が気になる方に向くことがあります。軽くひざを曲げ、ひざの間にクッションをはさむと骨盤がねじれにくく安定します。肩がつぶれない枕の高さがポイントです。
うつぶせ寝は注意
うつぶせは首を左右どちらかに大きくひねり続けるため、首・肩への負担が大きくなりやすい姿勢です。首こりやスマホ首が気になる方は避けた方が無難とされています。
枕の選び方

枕は「高さ」が最も大切とされています。合った高さの目安は次のとおりです。
- あおむけ:首の自然なカーブが保たれ、目線がやや足側〜真上になる高さ
- 横向き:首〜背骨が一直線になり、頭が傾かない高さ(肩幅の分やや高め)
- 高すぎる枕は首が前に曲がり、低すぎる枕は頭が反って、どちらも首に負担
- 寝返りが打ちやすい、広めで安定したものを選ぶ
朝に首や肩がこる場合は、枕の高さが合っていないサインのことがあります。タオルを重ねて高さを微調整してみるのも手軽な方法です。首・肩のケアは肩甲骨セルフケアもどうぞ。
Avensの現場から
「朝がいちばんつらい」という方のお話を聞くと、枕や寝姿勢が合っていないことが少なくありません。高価な寝具がすべてではなく、タオル1枚で枕の高さを調整するだけで朝の首こりが変わる方もいます。日中のケアと同じくらい、眠っている間の姿勢にも目を向けてほしいと現場では感じています。
こんな時は専門家へ
- 寝具を見直しても朝の首・腰の痛みが続く
- 手のしびれで目が覚める、夜間の強い痛みがある
- いびきや日中の強い眠気が続く(睡眠の専門医療の対象のことも)
- 不眠が長く続き、生活に支障が出ている
よくある質問
Q1. 高い枕とぺったんこ、どちらがいい?
どちらも極端だと首に負担です。首の自然なカーブを保てる「ちょうどよい高さ」が目安で、人によって異なります。タオルで微調整して、朝の楽さで判断するのがおすすめです。
Q2. 寝返りは悪いことですか?
いいえ。寝返りは同じ姿勢による負担を分散させる自然な動きです。寝返りが打ちやすい寝具・枕を選ぶことが、むしろ快適な睡眠につながるとされています。
Q3. 良い睡眠のための生活のコツは?
起床・就寝時間を一定にする、就寝前のスマホ・カフェインを控える、日中に適度に身体を動かすなどが一般的に勧められています。詳しくは厚生労働省の睡眠ガイドもご参照ください。
まとめ
睡眠は身体が回復する大切な時間です。背骨の自然なカーブを保てる寝姿勢と、首に合った高さの枕が、朝の首・肩・腰の楽さを左右します。うつぶせ寝は首の負担が大きいため注意しましょう。
まず1つなら、「タオルで枕の高さを微調整」から。お金をかけずに今夜から試せます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。手のしびれ・夜間の強い痛み・長く続く不眠がある場合は、医療機関にご相談ください。症状が続く場合や強い痛み・しびれがある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
参考にした情報源
本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。
※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。
関連記事
- スマホ首・PC作業の肩こり対策|原因と予防を理学療法士が解説
- 肩甲骨まわりをほぐすセルフケア|首こり・肩こり対策に
- 腰痛のタイプ別セルフチェック|原因の見分け方を理学療法士が解説
- 反り腰の原因とセルフケア|チェック方法を理学療法士が解説
- 【理学療法士が解説】姿勢の基本と悪い姿勢が引き起こす身体のサイン
朝の首・腰のつらさや睡眠の質のお悩み――そんな時は、訪問リハビリ・パーソナルコンディショニングのご相談を承っています

