「スマホを長く見たあと、首が伸びにくい」「写真で見ると首が前に出ている」――それはストレートネックかもしれません。スマホの長時間利用で増えているといわれ、肩こりとも深く関わります。
この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、ストレートネックとは何か・セルフチェック・首のカーブを取り戻すケアを解説します。スマホとの付き合い方も含めて見直していきましょう。
ストレートネックとは?
首の骨(頸椎)は本来、ゆるやかに前へカーブ(前弯)しています。このカーブが頭の重さを受け止めるクッションの役割をしています。ところがスマホをのぞき込む前傾姿勢が続くと、このカーブが減って首がまっすぐ(ストレート)に近づいた状態が、いわゆるストレートネックです(「スマホ首」とも呼ばれます)。
カーブが減るとクッション機能が働きにくくなり、頭の重さが首や肩の筋肉に直接かかって、こり・重だるさ・首の動かしにくさにつながると考えられています。スマホ首全般の原因と予防はスマホ首の記事もあわせてどうぞ。
ストレートネックのセルフチェック
かんたんな目安です(診断ではありません)。痛みのない範囲で確認しましょう。
- 壁立ちチェック:壁にかかと・お尻・背中をつけて立った時、後頭部が自然に壁につかない、またはつけようとすると苦しい
- 横向き写真:横から見て、耳が肩より前に出ている
- 上を向きにくい、首を後ろに反らすと詰まる感じがある
当てはまる場合も、あわてる必要はありません。日々のケアと姿勢の見直しで、首の負担をやわらげていきましょう。
まず確認:こんな時は医療機関へ
次のような場合は、ただの肩こり・首こりではない可能性があります。自己判断せず医療機関を受診してください。
- 腕や手のしびれ・力の入りにくさ・感覚の異常がある
- 手指の細かい動作がしにくい、ボタンがかけにくい
- 強い頭痛・めまい・吐き気・発熱をともなう
- 転倒・事故などのあとに痛みが出た
- 安静にしても強く痛む、だんだん悪化している
首のカーブを取り戻すセルフケア3選
痛みのない範囲で、ゆっくり行いましょう。強い痛み・しびれが出たら中止してください。
① あご引き(うなずき運動)

背すじを伸ばして座り、あごを軽く後ろに引いて二重あごを作るように。頭を背骨の真上へ戻すイメージで5秒キープ×10回。前に出た頭の位置を戻し、首の前カーブを引き出します。
② 胸を開いて首の前を伸ばす

両手を後ろで組んで胸を開き、ゆっくり天井を見上げて首の前側を心地よく伸ばします(痛みのない範囲で)。10〜20秒。前に丸まった胸と首の前をゆるめ、首が反りやすい状態に整えます。
③ 首の後ろ・横のストレッチ

頭を斜め前に倒して首の後ろを、横に倒して首の横を、それぞれ20秒ずつやさしく伸ばします。緊張し続けた首肩の筋肉をゆるめます。反動はつけず、息を止めずに。
Avensの現場から
ストレートネックを気にされる方に現場でお伝えするのは、「スマホの持ち方」です。多くの方が、うつむいてスマホを見ています。スマホを顔の高さまで持ち上げるだけで、首の前傾はぐっと減ります。ケアで首をゆるめても、見る姿勢が変わらなければ戻りやすい。「ケア」と「持ち方」はセットだと感じています。
スマホとの付き合い方
- 顔の高さで見る:スマホを持ち上げ、うつむかない。反対の手で肘を支えると楽
- 長時間連続して見ない:時々画面から目を離し、首を動かす
- 寝ながらスマホを控える:首に無理な角度がかかりやすい
- あご引きをこまめに:頭を背骨の真上に戻す習慣を
よくある質問
Q1. ストレートネックは治りますか?
首のカーブの状態には個人差があり、ここでは「治る」とは言えません。ただ、姿勢の見直しとケアで首の負担をやわらげ、こりを軽くしていくことは期待できます。気になる場合は整形外科で相談すると安心です。
Q2. 枕は関係ありますか?
合わない枕(高すぎ・低すぎ)は、寝ている間ずっと首に負担をかけます。首のカーブを支えられる高さの枕を。詳しくは睡眠と寝姿勢・枕の記事をご覧ください。
Q3. 子どももなりますか?
スマホ・ゲームの長時間利用で、お子さんでも首の前傾姿勢が習慣になることがあります。画面の見方・利用時間に気を配り、ときどき姿勢を確認してあげましょう。
まとめ
ストレートネックは、首の前カーブが減って頭の重さを受け止めにくくなった状態で、肩こりとも深く関わります。あご引き・胸開き・首のストレッチで首をゆるめつつ、スマホを顔の高さで見る習慣で前傾を減らすのがポイント。ケアと持ち方はセットです。腕のしびれや強い痛みをともなう場合は、医療機関にご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。腕や手のしびれ・力の入りにくさ・強い頭痛・めまいなどをともなう場合や、症状が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
参考にした情報源
本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。
- 日本整形外科学会「頸椎症性神経根症 ほか 症状・病気をしらべる」
- 厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」
- 厚生労働省「健康日本21アクション支援システム」(肩こり等の健康情報)
- 日本理学療法士協会
※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。
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