「椅子に座ると足が床につかない」「夕方に脚がむくむ」——フットレストは、見落とされがちですが座り姿勢の土台をつくる道具です。
この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、フットレストの選び方と、必要かどうかの見分け方を解説します。特定の商品をすすめるものではありません。
この記事の結論
- 必要かどうかは「座って足裏全体が床につくか」で決まる
- 高さは、膝が約90度になるところ。高すぎると太ももの裏が圧迫される
- 傾斜がつくタイプは足首が動かせて、むくみ対策になりやすい
まず「自分に必要か」を確かめる

椅子に深く腰かけて、足裏全体が床についているかを見てください。
- つま先しか届かない/足が浮く → フットレストが要ります
- 足裏はつくが膝が持ち上がる → 椅子が低い。足台ではなく椅子を上げる
- 足裏がぴったりつく → 不要です
足が浮くと、体重を支える場所が座面だけになり、お尻と腰に負担が集中します。また太ももの裏が座面の縁で圧迫され、脚のむくみにもつながります(夕方のむくみの記事)。
選ぶときの4つの観点
① 高さ
膝が約90度になる高さが基本です。高すぎると太ももが持ち上がり、裏側が圧迫されます。高さを変えられるタイプだと、椅子や机が変わっても使えます。
② 傾斜がつくか

天面が斜めになるタイプは、足首を自然に動かせるのが利点です。足首が動けばふくらはぎのポンプが働き、むくみ対策になります。
③ 大きさ
両足がしっかり乗る幅を。小さいと足を乗せる位置が固定され、同じ姿勢のままになります。
④ 素材と安定性
軽すぎると蹴ったときに動きます。滑り止めがあるかを確認してください。
4つの観点を一覧にすると、売り場で見るところがはっきりします。
| 見る観点 | 目安 |
|---|---|
| 高さ | 膝が約90度になる高さ。高すぎると太ももの裏が圧迫される |
| 傾斜がつくか | 天面が斜めだと足首を動かせて、むくみ対策になりやすい |
| 大きさ | 両足がしっかり乗る幅。小さいと足の位置が固定される |
| 素材と安定性 | 軽すぎると蹴ったときに動く。滑り止めの有無を確認 |
高さの決め方(手順)
- 椅子に深く腰かけ、背もたれに背中をつける
- ひじが約90度でキーボードに届く高さに椅子を合わせる(机の高さが基準)
- その状態で足裏が床につかなければ、つく高さまで台を重ねる
- 膝の角度が約90度になっているか確認する
- 太ももの裏が座面の縁で圧迫されていないか確認する
順番が大事です。足が浮くからといって椅子を下げると、机が相対的に高くなって肩がすくみます。椅子は机に合わせ、足元は台で埋めるのが基本です。
代わりになるもの

専用品でなくても、厚めの本を数冊重ねる・空き箱を使うだけで高さは作れます。まずそれで「足裏がつくと楽になるか」を確かめてから買うほうが失敗しません。
続けやすくする道具(なくてもできます)
厚い本を数冊で代用できます。それで楽になるなら、高さが足りていなかったということ。机と椅子の高さ全体を見直せる環境なら、そちらが先です。
Avensのワンポイントアドバイス
フットレストは「身長が低めの方ほど効く」道具です。市販の椅子と机は平均的な体格に合わせてあるので、足が届かない方はずっと不安定なまま座っていることになります。足裏がつくだけで、腰の張りが変わる方は少なくありません。まず本を重ねて試してみてください。
足を乗せたまま動かす
足台に乗せたまま固定すると、ふくらはぎのポンプが止まります。台の上でもできる動きを入れてください。
- かかとの上げ下げ:台の上で20回。1〜2時間に1回
- つま先の上下:かかとを台につけたまま、つま先を上げ下げ20回
- 片足ずつ床に下ろす:数分ごとに左右を入れ替える
使うときの注意点
- 足を乗せっぱなしにしない。ときどき床に下ろして動かす
- 高さを上げすぎない。太ももの裏が圧迫される
- 立ち上がるときに足元にあると危ないので、位置を決めておく
よくある質問
Q1. フットレストは必要ですか?
深く腰かけて足裏全体が床につかないなら必要です。つま先しか届かない、足が浮く場合は使う価値があります。
Q2. 高さはどれくらいがいいですか?
膝が約90度になる高さが基本です。高すぎると太ももの裏が圧迫されます。
Q3. 傾斜があるものとないもの、どちらがいいですか?
足首を動かしやすい傾斜つきのほうが、むくみ対策には向いています。
Q4. 買う前に試す方法はありますか?
厚い本を数冊重ねて足を乗せてみてください。それで楽になるなら効果が期待できます。
Q5. 子どもの学習机にも使えますか?
むしろ必要になりやすい場面です。大人用の椅子と机では足が届かないため、姿勢が崩れやすくなります。成長に合わせて高さを変えられるタイプが向いています。
Q6. 足を組むクセがあります
足が床につかないと、安定を求めて足を組みやすくなります。足台で足裏がつくと、組む回数が自然に減る方もいます。クセを注意するより、足元の環境を整えるほうが現実的です。
まとめ
フットレストが要るかは「足裏全体が床につくか」で決まります。高さは膝が約90度。傾斜つきなら足首が動かせてむくみにも向きます。買う前に、厚い本を重ねて確かめてください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。痛み・しびれ・強い不調が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
参考にした情報源
本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。
※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。
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