歩くと股関節が痛いのはなぜ?原因とセルフケア・歩き方の工夫

歩いている途中で立ち止まり、右の股関節の付け根に手を当てている女性の水彩イラスト

「歩き始めに股関節の付け根が痛い」「長く歩くと脚の付け根が重くなる」——股関節の痛みは、放っておくと歩く量が減り、身体全体の衰えにつながりかねません。

この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、歩くと股関節が痛くなる主な理由と、セルフケア・歩き方の工夫・受診の目安を解説します。股関節の硬さは股関節が硬い人への記事もどうぞ。

この記事の結論

  • 多くは「股関節の前側の硬さ」と「お尻の筋力」の組み合わせで起きるとされています
  • 痛いときほど歩幅を小さく。大股で頑張ると関節に負担が集中します
  • 2週間以上続く痛み・夜間痛・転倒後の痛みは、セルフケアより先に整形外科へ
目次

歩くと股関節が痛くなる主な理由

  • 股関節の前側の硬さ:座りっぱなしで縮み、歩くときに引っ張られる
  • お尻の筋肉の弱さ:片脚で身体を支えきれず、関節に負担が集中
  • 歩き方の癖:歩幅を広げすぎる・つま先が外を向く など

年齢とともに関節そのものの変化が関わることもあり、痛みが続く場合は一度整形外科で状態を確認することをおすすめします。

痛むタイミングで整理してみる

同じ「歩くと痛い」でも、いつ痛むかで見直す場所が変わります。自分がどれに近いかを確かめてから、下のセルフケアに進むと無駄がありません。

  • 歩き始めだけ痛い:動き出しで固さが出ているパターン。歩いているうちに軽くなるなら、前側のストレッチが合いやすい
  • 長く歩くと重くなる:支える力が持たないパターン。お尻のトレーニングが中心
  • 歩いた後や翌日に痛む:その日の量が今の身体に対して多い可能性。距離を一度減らして様子を見る

なお、これは原因を特定するものではありません。痛みが強い場合や当てはまらない場合は、自己判断せず整形外科にご相談ください。

セルフケアと歩き方の工夫

① 股関節の前を伸ばす

片膝立ちで股関節の前を伸ばす水彩イラスト
① 片膝立ちで後ろ脚側の股関節の前を20秒。腰は反らさない

片膝立ちになり、後ろ脚側の股関節の前を20秒伸ばす。腰を反らさず、骨盤を軽く後ろに倒す意識で。

やり方

  1. 床に片膝立ちになる(後ろ脚側を伸ばしたい側にする)
  2. お尻を軽く締めて、骨盤を後ろに倒す(腰を反らせない)
  3. その姿勢のまま、体重を少し前に移す
  4. 後ろ脚の付け根の前側が伸びるところで止めて20秒
  5. 左右それぞれ2セット

できているかの確認

  • 伸びを感じるのは後ろ脚の付け根の前側
  • 腰ではなく股関節の前で伸びを感じていれば合っています

よくある間違い

  • 腰を反らせて前に出る → 伸びが腰に逃げ、腰痛の原因になります
  • 痛いほど伸ばす → 「気持ちよく伸びる」程度で十分とされています

② お尻を鍛える(横向きの脚上げ)

横向きに寝て上の脚を上げる水彩イラスト
② 横向きに寝て上の脚をゆっくり上げ下げ10回

横向きに寝て、上の脚をゆっくり上げて下ろすを10回。片脚で支える力を育てます。

やり方

  1. 横向きに寝て、下の脚は軽く曲げて身体を安定させる
  2. 上の脚はまっすぐ伸ばし、つま先を少し下に向ける
  3. 身体が後ろに倒れないよう保ったまま、上の脚を30〜45度ほど上げる
  4. 2秒かけて下ろす。10回×左右2セット

できているかの確認

  • お尻の横側に疲れを感じる
  • 翌日に腰ではなくお尻の横が軽く張る

よくある間違い

  • 脚を高く上げすぎる → 腰で持ち上げてしまい、お尻に効きません
  • 身体が後ろに倒れる → 背中を壁につけて行うとズレに気づけます

③ 歩幅を「少し小さく」する

小さめの歩幅でつま先をまっすぐ向けて歩く横向き水彩イラスト
③ 痛いときは小さめの歩幅でリズムよく。つま先はまっすぐ前へ

痛いときは歩幅を広げず、小さめの歩幅でリズムよく。つま先はまっすぐ前へ。歩き方の基本は正しい歩き方の記事を。

Avensのワンポイントアドバイス

歩行時の股関節痛で多いのは、「股関節の前が硬い」+「お尻が弱い」の組み合わせ。この状態で頑張って大股で歩くと、関節に負担が集中します。まず①で前をゆるめ、②でお尻を育て、歩幅は小さめから。痛みが2週間以上続く場合は、整形外科で画像を撮ってもらってからセルフケアを進めると安心です。

歩幅の目安

  • いつもより靴1足分ほど狭くするイメージ
  • つま先はまっすぐ前へ。外を向くと股関節の前がつまりやすくなります
  • 歩幅を狭くした分、歩くテンポを少し上げると速度は落ちにくい

靴と路面も一度見てみる

  • 靴底のすり減り:外側だけ減っているなど偏りがあると、脚の向きのクセが出ているサインになります
  • クッション性:薄く硬い靴で長距離を歩くと、衝撃が股関節まで届きやすくなります
  • 路面:アスファルトの下り坂は負担が大きいので、痛むときはコースを変えてみる

かかとが靴の中で浮いている、幅が合っていない、といったことも歩き方のクセにつながります。選び方と履き方は歩きやすい靴の5つのポイントにまとめています。

どれくらい続けるか

ストレッチとトレーニングは1日1回、まずは2週間を目安に。お尻の筋力は数日で変わるものではないため、週単位で見るのが現実的です。痛みが強くなる日は量を減らし、休む日を作って構いません。

注意点(こんなときは受診を)

  • 安静にしても痛い・夜間に痛む
  • 脚の長さが違う感じ・靴下がはきにくいなど動きの制限
  • 転倒後の痛み、痛みが2週間以上続く

よくある質問

Q1. 痛いときは歩かないほうがいいですか?

痛みが出ない範囲であれば、歩くこと自体を完全にやめる必要はないとされています。距離や歩幅を減らして様子を見てください。ただし歩くたびに痛みが強くなる場合は、一度量を落として医療機関にご相談ください。

Q2. 温めるのと冷やすの、どちらがいいですか?

熱感や腫れがある時期は冷やすと楽に感じることがあり、こわばりが中心のときは温めるほうが動かしやすいとされています。迷ったときは、やってみて楽に感じるほうを選んで構いません。

Q3. 何科を受診すればいいですか?

まずは整形外科です。歩行時の股関節痛は関節そのものの状態が関わることがあり、画像で確認してからセルフケアを進めるほうが安心です。

Q4. どれくらいで変化を感じますか?

感じ方には個人差があります。前側の硬さによるものなら数日で軽くなることもありますが、お尻の筋力が関わる場合は数週間単位で見てください。

まとめ

歩くと股関節が痛いのは、前側の硬さ・お尻の弱さ・歩き方の癖が重なることが多いもの。前を伸ばし、お尻を鍛え、歩幅を小さめに。続く痛みは整形外科で確認してからセルフケアを。

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歩くときの股関節や脚の付け根の痛みが気になる方へ。身体の使い方から見直したい方は、ご相談を承っています

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。痛み・しびれ・強い不調が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

参考にした情報源

本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。

※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。

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この記事を書いた人

理学療法士。総合病院に勤務する現役の理学療法士として、姿勢・腰痛・肩こり・ストレッチなど、毎日の身体ケアに役立つ情報を分かりやすく発信しています。 詳しい経歴は執筆・監修者のページに掲載しています。

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