「体幹を鍛えたいけど、プランクが続かない」「何から始めればいい?」——体幹トレーニングは、きつい種目から入ると続きません。
この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、自宅でできる体幹トレーニングを、やさしい順に3段階で解説します。道具は使いません。
この記事の結論
- いきなりプランクから始めると、腰か肩で支える形になりがち
- 「呼吸が続いているか」が、いまの段階に合っているかの判断基準
- ドローイン → デッドバグ → プランクの順で積み上げる
体幹トレーニングでつまずく理由
いきなりプランクから始めると、腰が反る・呼吸が止まる・肩に力が入るという形になりがちです。これでは体幹ではなく腰や肩を使っているだけ。まずはお腹の深い部分を働かせる感覚をつかんでから、支える姿勢に進むのが順序です。腰痛予防の考え方は体幹トレーニングの記事を。
3段階で積み上げる
ステップ1:ドローイン(あお向け・呼吸)

あお向けで両膝を立て、息を吐きながらおへそを背中に近づけるように軽くへこませ、そのまま呼吸を続けて10秒。5回。力みすぎないのがコツ。
やり方
- あお向けになり、両膝を立てる
- おへその少し下に手を当てる
- 息を吐きながら、手の下が薄くなるようにお腹を軽くへこませる
- へこませたまま浅い呼吸を続けて10秒
- ゆるめて一呼吸。5回
できているかの確認
- 手の下が硬くならずに薄くなっている
- 10秒のあいだ、会話ができる程度の余裕がある
よくある間違い
- 全力でへこませる → 2〜3割の力で十分とされています
- 息を止める → 血圧が上がりやすいため、呼吸は続けます
次に進む目安:呼吸を止めずに10秒×5回を、腰が反らずにできるようになったらステップ2へ。
ステップ2:デッドバグ(手足を動かしても保つ)

あお向けで両手を天井に、両膝を90度に。反対の手足をゆっくり伸ばして戻すを左右10回。腰が床から浮かない範囲で。
やり方
- あお向けで両手を天井に向け、両膝を90度に曲げて持ち上げる
- 腰と床のすき間を保ったまま(手のひら1枚分ほど)
- 右手と左脚をゆっくり伸ばして床に近づける
- ゆっくり戻し、左手と右脚で行う
- 左右交互に10回
できているかの確認
- 腰が床から浮き上がっていない
- 動かしている間も呼吸が続いている
よくある間違い
- 腰が反って床から浮く → 伸ばす範囲を小さくする
- 速く動かす → 1回に4〜5秒かけるとコントロールが要ります
次に進む目安:腰が浮かずに左右10回できたらステップ3へ。
ステップ3:プランク(支える)

ここまでできたらプランクへ。頭からかかとまで一直線、20秒から。やり方はプランクの記事を。
続けやすくする道具(なくてもできます)
体幹トレーニングは床にタオルを敷くだけで始められます。腰が反る方は、丸めたタオルを腰の下に入れて確認するのも一つ。慣れたら不安定な面を使う方法もあります。
Avensのワンポイントアドバイス
体幹トレーニングのご相談で、私が最初に見るのは「呼吸が続いているか」です。息を止めて頑張っている方は、たいてい腰か肩で支えています。会話ができる強さが目安。プランク60秒より、呼吸を続けたドローイン10秒×5回のほうが、腰にはずっと効きます。
やり方
- うつ伏せになり、両ひじを肩の真下につく
- つま先を立て、お尻を持ち上げて頭からかかとまで一直線にする
- お腹を軽くへこませたまま20秒
- 休んでから、合計2〜3セット
できているかの確認
- お尻が上がりすぎず、落ちすぎていない
- 20秒のあいだ呼吸が続いている
よくある間違い
- 腰が反って落ちる → 時間を10秒に短くするか、膝をついて行う
- 肩がすくむ → ひじで床を押し、肩甲骨の間を軽く広げる
頻度と進め方
- 週3〜4回、1回5〜10分から
- 毎日やるより、間に1日空けるほうが回復しやすい
- 各ステップは2週間を目安に。できていないのに次へ進まない
- 痛みが出る日は一段戻す。戻ることは失敗ではありません
どの段階にいるかの自己判断
- お腹を軽くへこませる感覚が分からない → ステップ1
- へこませられるが、手足を動かすと腰が浮く → ステップ2
- 手足を動かしても腰が浮かない → ステップ3
注意点
- 呼吸を止めて力まない。血圧が上がりやすくなります
- 腰が反る・痛むときは一段戻す
- しびれ・強い痛みが出たら中止し、医療機関へ
よくある質問
Q1. 腹筋運動(上体起こし)ではだめですか?
目的が違います。上体起こしはお腹の表面の筋肉を縮める運動で、ここで紹介している3段階は姿勢を支える働きに向けたものです。腰に不安がある方は、上体起こしで負担が集中することもあります。
Q2. プランクは何秒できればいいですか?
秒数よりフォームと呼吸です。腰が落ちた状態で60秒続けるより、一直線を保てる20秒を数セットのほうが向いています。
Q3. 毎日やったほうが早く効果が出ますか?
筋肉は休んでいる間に回復するとされているため、毎日より週3〜4回のほうが結果的に積み上がりやすい場合があります。
Q4. 腰が痛いときはやめたほうがいいですか?
痛みが出る動きは中止してください。一段戻して痛みが出ない範囲で続けるか、痛みが続く場合は医療機関にご相談ください。
まとめ
体幹トレーニングは、ドローイン→デッドバグ→プランクの順に。呼吸を続けたまま支えられる範囲が、今のあなたの体幹の力です。きつい種目より、続く強さを選びましょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。痛み・しびれ・強い不調が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
参考にした情報源
本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。
※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。
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