「片脚で立つとふらつく」「歩いていると身体が左右に揺れる気がする」——これは体の軸が整っていないサインかもしれません。
この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、日常生活で体の軸を整える考え方と、自宅でできるバランス練習を解説します。スポーツ向けの軸の話は体の軸(体軸)の記事をどうぞ。
この記事の結論
- 軸が整うとふらつきにくく、腰や膝への負担が偏りにくいとされています
- 片脚立ちが10秒続かない・ふらつくのは見直しのサイン
- 転倒が心配な方は、必ず支えがある場所で行ってください
「体の軸」とは?日常生活での意味
体の軸とは、頭から足までを通る一本の芯のように、身体をまっすぐ支える感覚のこと。スポーツだけでなく、立つ・歩く・階段を上る・物を持つといった日常動作でも使われています。軸が整うとふらつきにくく、疲れにくく、腰や膝への負担が偏りにくいとされます。加齢や運動不足で崩れやすい部分でもあります。
軸が崩れているサイン
- 片脚立ちが10秒続かない・ふらつく
- 靴底の減り方が左右で違う
- 立っているとき、無意識にどちらかの脚に体重をかけている
- 歩くと身体が左右に揺れる
気になる方は、ロコモチェックの記事もあわせてどうぞ。
自宅でできる軸を整えるバランス練習3選
いずれも壁や机のそばで、転倒に注意して行ってください。
① 片脚立ち(左右30秒)

壁に手を添えられる位置で、片脚を軽く浮かせて立つ。頭のてっぺんを糸で吊られるイメージで。左右各30秒×2。慣れたら手を離して。
やり方
- 壁や椅子の背のすぐそばに立つ(いつでもつかめる位置)
- 片脚を軽く持ち上げ、もう片方の脚で立つ
- 視線はまっすぐ前の一点に固定する
- 30秒を目安に。左右それぞれ2回
できているかの確認
- 骨盤が左右に落ちていない
- 支えている脚の膝がロックされていない(軽くゆるめる)
よくある間違い
- 下を向く → 視線が落ちるとバランスが取りにくくなります
- 手を離すのが怖いまま続ける → まず指1本を添えた状態から始めてください
② かかと・つま先を一直線にして立つ(タンデム立位)

片方の足のかかとを、もう片方のつま先にくっつけて一直線に立つ。30秒。左右の足を入れ替えて。バランスが取りにくい方は足を少し離しても。
やり方
- 壁の横に立ち、いつでも手をつける位置を確保する
- 片足のかかとを、もう片方のつま先の前にまっすぐ置く
- その姿勢で30秒。視線はまっすぐ前
- 前後の足を入れ替えて30秒
できているかの確認
- 身体が前後に大きく揺れていない
- 肩に力が入っていない
よくある間違い
- 足を左右にずらす → まっすぐ一直線に置くことで難しさが出ます
- つらいまま無理に続ける → 足の間を少し空けた形から始めてください
③ ゆっくり立ち上がる・座る

椅子から手を使わずに3秒かけて立ち、3秒かけて座る。10回。日常動作そのものが軸の練習になります。
Avensのワンポイントアドバイス
「軸を鍛える」というと特別なトレーニングを想像しますが、私が最初にお伝えするのは「片脚立ちを歯磨き中にする」です。1日2回・各30秒。これだけで数週間後にふらつきが減ったとおっしゃる方が多いです。難しいことより、毎日続くこと。軸は日常の中で育てるのが一番です。
やり方
- 椅子に浅めに座り、足を少し後ろに引く
- 腕を組むか胸の前で交差させる(手を使わない)
- 4秒かけて立ち上がる
- 4秒かけて座る。10回
できているかの確認
- お尻と太ももの力で動けている
- 座るときにドスンと落ちていない
よくある間違い
- 勢いをつけて立つ → ゆっくり動かすほうがバランスが要ります
- 膝が内側に入る → つま先と膝を同じ方向に向けてください
頻度と進め方
- 毎日1回、合計5分程度から
- 歯みがきの間に片脚立ち、など行動にひもづけると続きます
- 慣れてきたら、目を閉じる・柔らかい面の上で行うと難しさが上がります
- 必ず支えがある場所で。転倒の危険がある場所では行わないでください
変化の確かめ方
- 片脚立ちの秒数を週1回測る
- 靴下を立ったまま履けるか
- 階段で手すりに頼る回数が減ったか
注意点
- 必ずつかまれる場所のそばで行う(転倒防止)
- めまい・強いふらつきがある場合は中止し、医療機関へ
- 膝や腰に痛みがある場合は無理をしない
よくある質問
Q1. 何秒できれば十分ですか?
年齢によって目安は変わりますが、左右差が大きいことのほうが気をつけたいサインとされています。片側だけ極端に短い場合は見直してみてください。
Q2. ふらついて怖いです
壁や手すりのそばで、指1本を添えた状態から始めてください。転倒のリスクがある場所では行わないでください。
Q3. 高齢の家族にもすすめていいですか?
安全が確保できる場所であれば、転倒予防として取り入れられています。ただし持病がある場合やふらつきが強い場合は、事前に医療機関にご相談ください。
Q4. 筋トレと併用したほうがいいですか?
バランスは筋力と感覚の両方で成り立っています。お尻や太ももの筋力づくりを合わせると、より安定しやすくなります。
まとめ
体の軸は、日常の立つ・歩く・座る動作を支える土台。片脚立ち・タンデム立位・ゆっくり立ち座りの3つを、歯磨き中などの「ついで」に。転倒に注意しながら、毎日少しずつ整えていきましょう。
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ふらつきや姿勢の崩れが気になる方へ。身体の使い方から見直したい方は、ご相談を承っています
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。痛み・しびれ・強い不調が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
参考にした情報源
本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。
※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。

