運動を始める前に知っておきたいケガ予防|安全に続ける3ステップ

秋の公園で歩き始める人の水彩イラスト

涼しくなり「運動を始めよう」と思う方が増える季節。ただ、久しぶりの運動は張り切りすぎてケガをすることも少なくありません。

この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、運動を安全に始めるための準備と、最初の数週間の進め方を解説します。

この記事の結論

  • 最初の1か月は「身体を慣らす期間」と考える
  • 物足りないくらいから始めた方のほうが、半年後も続いています
  • 持病のある方・長く運動していない方は、始める前に医師にご相談を
目次

「いきなり」がケガのもと

運動不足の身体は、筋肉・関節・心肺のどれも急な負荷に慣れていません。最初から走る・長時間やる・毎日やる、はケガや燃え尽きの原因に。「物足りない」くらいから始めて、少しずつ増やすのが、結果的に一番長く続きます。ケガの種類はスポーツ外傷と障害の記事を。

安全に始める3ステップ

① まずはウォーキングから、週2〜3回

公園をゆったり歩く人の水彩イラスト
① 20〜30分のウォーキングを週2〜3回。翌日に疲れが残らない強さで

最初の2週間は20〜30分のウォーキングを週2〜3回。翌日に疲れが残らない強さが目安です。歩き方は正しい歩き方の記事、靴は靴の選び方の記事を。

最初の4週間の目安

  • 1〜2週目:20〜30分のウォーキングを週2〜3回
  • 3〜4週目:時間はそのまま、少し速く歩く日を1回作る
  • 5週目以降:時間か回数のどちらか一方だけを増やす

強さの目安

  • 会話ができる強さ。歌えるほど楽なら少し上げる
  • 翌日に疲れが残らないこと
  • 増やすのは週に10%程度までが目安とされています

靴を先に見る

運動を始める前に、靴底がすり減っていないか確認してください。すり減った靴で距離を増やすと、膝や足裏に負担が集中します。

② 運動前は動的、運動後は静的ストレッチ

手すりにつかまり脚を振るウォーミングアップの水彩イラスト
② 運動前は動かしながら温め、運動後はゆっくり伸ばす

運動前は身体を動かしながら温めるダイナミックストレッチ、運動後はゆっくり伸ばすクールダウン。この習慣だけでケガのリスクは下がるとされます。

運動前(5分)

  • その場で足踏み1分
  • 脚を前後に振る(左右10回)
  • 股関節を回す(左右10回)
  • 肩を大きく回す(前後10回)

運動後(5分)

  • もも裏 20〜30秒×左右
  • ふくらはぎ 30秒×左右
  • 股関節の前 20秒×左右

運動前に止めて長く伸ばすのは避け、動かしながら温めるほうが向いているとされています。

③ 痛みが出たら「休む」を選ぶ

ベンチで水を飲んで休む人の水彩イラスト
③ 関節の痛み・鋭い痛み・腫れは休むサイン

筋肉痛は回復のサインですが、関節の痛み・鋭い痛み・腫れは別。無理をせず休み、続く場合は医療機関へ。「休む」も運動計画の一部です。

Avensのワンポイントアドバイス

秋になると「久しぶりに走ったら膝が痛い」というご相談が本当に増えます。共通するのは最初の1週間で頑張りすぎていること。私がお伝えするのは「最初の1か月は身体を慣らす期間」。物足りないペースで続けた方のほうが、半年後もちゃんと運動を続けています。

休むサインの見分け方

  • 筋肉痛:運動した部位が全体的に張る。動かすと軽くなることが多い → 様子を見てよい
  • 関節の痛み:膝や足首など特定の場所がピンポイントで痛む → 休む
  • 鋭い痛み:動かした瞬間に走るような痛み → 中止
  • 腫れ・熱感:見た目に腫れている、触ると熱い → 中止して受診

休んだあとの再開

  • 痛みが完全に引いてから、前回の半分の量で再開する
  • 同じ場所がまた痛む場合、フォームか靴か量のいずれかが合っていません
  • 2週間休んでも痛みが引かない場合は、医療機関にご相談ください

続けるための工夫

  • 曜日と時間を決める:やる気ではなく仕組みで続けます
  • 記録する:カレンダーに印をつけるだけで継続率が変わります
  • 1回休んでもやめない:抜けた日は気にせず次に戻してください

注意点

  • 持病がある方・長く運動していない方は、始める前に医師に相談を
  • 運動中の胸の痛み・強い息切れ・めまいはすぐ中止し、医療機関へ
  • 水分補給と、暑い日中を避けた時間帯選びを

続けやすくする道具(なくてもできます)

運動を始めるときに最初に見直したいのは靴です。ウェアや器具より、足に合った靴のほうが身体への影響が大きいもの。慣れてきたら、自宅で使える道具を少しずつ。

よくある質問

Q1. 毎日やったほうが早く効果が出ますか?

身体が慣れていない時期は、回復の時間が必要とされています。週2〜3回から始めるほうが、結果的に長く続きます。

Q2. 筋肉痛があっても続けていいですか?

軽い筋肉痛であれば、強度を下げて動かすほうが回復しやすいとされています。ただし関節の痛みや鋭い痛みがある場合は休んでください。

Q3. ウォーキングより走ったほうが効果的ですか?

走るほうが負荷は高くなりますが、その分ケガのリスクも上がります。まずは歩いて身体を慣らしてから、段階的に進めるほうが安全です。

Q4. 何歳からでも始められますか?

年齢にかかわらず始められますが、持病がある方や長く運動していない方は、始める前に医師にご相談ください。

まとめ

運動を始めるコツは「いきなり頑張らない」こと。ウォーキングから週2〜3回、運動前後のストレッチ、痛みが出たら休む。最初の1か月は身体を慣らす期間と考えて、長く続く運動習慣を作りましょう。

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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。痛み・しびれ・強い不調が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

参考にした情報源

本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。

※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。

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この記事を書いた人

理学療法士。総合病院に勤務する現役の理学療法士として、姿勢・腰痛・肩こり・ストレッチなど、毎日の身体ケアに役立つ情報を分かりやすく発信しています。 詳しい経歴は執筆・監修者のページに掲載しています。

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