ランニング中の膝の痛みが気になる方へ|よくある質問と相談目安を理学療法士が解説

公園の道を軽やかにジョギングする女性の水彩イラスト

「走り始めると膝の外側が痛む」「走った翌日に膝が重い」——ランニングを続けていると、膝まわりの違和感や痛みが気になる場面は少なくありません。

この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、ランニング中の膝の痛みに関するよくある質問にQ&A形式でお答えします。走り続けるためにこそ、膝のサインへの向き合い方を知っておきましょう。

目次

まず確認:こんな時は医療機関へ

次のような場合は、走るのをいったん休み、整形外科などの医療機関を受診してください。

  • 膝が腫れている・熱っぽい・水がたまっている感じがする
  • 着地のたびに鋭く痛む、痛みで走り方が変わってしまう
  • 休んでも痛みが引かない、走るたびに悪化している
  • 膝が引っかかる・不意にガクッと抜ける感じがある
  • 転倒・接触などのケガのあとから痛い

ランニングと膝の痛みQ&A

Q1. 走ると膝が痛くなるのはなぜですか?

ランニングでは着地のたびに体重の数倍の負荷が脚にかかるといわれます。練習量の急な増加・筋力や柔軟性の不足・フォームや靴の問題などが重なると、膝まわりの組織に負担が集中し、痛みにつながると考えられています。膝の外側・お皿まわりなど、痛む場所によって関わる組織も異なります。

Q2. 痛みがあっても走り続けていいですか?

「走り始めだけ違和感があり、すぐ消えて翌日も残らない」程度なら、量を控えめにして様子を見る選択もあります。ただし走るほど痛みが増す・翌日に残る・毎回痛む場合は、身体からの明確なサインです。無理に走り続けると回復が長引くことがあるため、休む・受診する判断をおすすめします。

Q3. 走ったあとに膝が痛んだら、まず何をすればいいですか?

ランニング後にタオルで包んだ氷のうで膝を冷やす女性の水彩イラスト
腫れ・熱感があるときはタオル越しに15〜20分冷やします(受診までの応急的な対応です)

まずは運動を控えて安静にし、腫れや熱感がある場合は氷のうなどで15〜20分ほど冷やします(凍傷を防ぐためタオル越しに)。これはあくまで受診までの応急的な対応です。腫れ・強い痛みが続く場合は医療機関へ。

Q4. どれくらい休めば再開できますか?

痛みの原因や程度によって大きく異なるため、一概には言えません。目安としては日常生活で痛みなく歩ける→速歩きで痛くない→軽いジョグで痛くないと段階的に確認しながら戻すのが安全です。診断を受けている場合は医師の指示を優先してください。

Q5. 予防のためにできることはありますか?

ベンチに手を添えて脚を前後に振るレッグスイングをする女性の水彩イラスト
走る前はレッグスイングなどの動的ウォームアップで脚の動きを準備しましょう

ポイントは4つです。①練習量を急に増やさない(週の走行距離の増加は1〜2割程度までが目安といわれます)、②走る前は動的ウォームアップ(その場足踏み・レッグスイングなど)、③太もも・お尻の筋力づくり(スクワットなど)、④走ったあとのストレッチ(太もも前後・ふくらはぎ)。詳しい準備運動はウォーミングアップの記事をどうぞ。

Q6. 靴は関係ありますか?

関係します。すり減った靴・サイズの合わない靴は着地の衝撃や脚のブレに影響します。かかとのすり減りが目立ってきたら買い替えを検討し、購入時は夕方(足がむくむ時間帯)に試し履きするのがおすすめです。

Q7. 膝サポーターやテーピングは使うべきですか?

不安の軽減や動きのサポートとして役立つ場面はありますが、痛みの原因を解決するものではありません。「着ければ走れる」を続けると悪化することもあります。選び方は膝サポーターの記事を参考に、痛みが続くなら受診を優先してください。

Q8. 体重は膝の痛みに関係しますか?

体重が増えるほど着地時の膝への負荷は大きくなります。ただし急な減量目的のランニングはそれ自体が膝の負担になることも。ウォーキングや自転車・水中運動などを組み合わせると、膝への負担を抑えながら運動量を確保しやすくなります。

Avensの現場から

ランニングによる膝のご相談で多いのが、「大会が近いから」と痛みを我慢して走り込み、直前に悪化させてしまうパターンです。痛みが出た時点で練習内容を調整できた方は、結果的に早く走れる状態に戻る印象があります。「休む勇気も練習のうち」。膝の声を聞きながら、長くランニングを楽しんでほしいと思います。

まとめ

ランニング中の膝の痛みは、練習量・筋力・柔軟性・フォーム・靴など複数の要因が重なって起こると考えられています。「走るほど痛む・翌日に残る」はサインと捉えて早めに調整を。腫れや強い痛み、続く痛みがある場合は、整形外科などの医療機関で原因を確認してから、段階的に走りに戻りましょう。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。膝の腫れ・強い痛み・続く痛みがある場合は、自己判断せず整形外科などの医療機関にご相談ください。

参考にした情報源

本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。

※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。

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