「朝起きると首や肩が痛い」「枕が合っていない気がする」——枕は毎晩使うものだけに、選び方で睡眠の質が変わってきます。
この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、枕の選び方の基本(高さ・形・素材)を解説します。寝姿勢全体の話は睡眠と寝姿勢の記事もあわせてどうぞ。
この記事の結論
- 最も重要なのは高さ。高すぎる枕を選んでいる方が多いとされています
- 買う前にバスタオルで高さを試すと、何cmが合うか分かります
- マットレスの沈み込みで実際の高さは変わるため、セットで考える
枕選びでいちばん大事なのは「高さ」
枕の役割は、寝たときに首の自然なカーブを支え、頭・首・背骨がゆるやかに一直線になること。高すぎると首が前に曲がり、低すぎるとあごが上がって負担がかかります。横向きでは肩幅の分だけ高めが合いやすいとされます。
選ぶときの3つのポイント
① 高さ:寝返りしても首がラクか

あお向け・横向きどちらでも首に無理がない高さを。試せるなら実際に寝て確認を。
高さの合わせ方
- あお向けに寝て、横から見たときに顔が床と平行〜やや下向きになるか確認する
- あごが上がる → 高さが足りない
- あごが引けすぎて苦しい → 高すぎる
- 次に横向きになり、鼻・あご・胸の中心が一直線になるか確認する
買う前に試す方法
- バスタオルを4つ折りにして重ねる
- 1枚ずつ増減して、あお向けと横向きの両方で楽な高さを探す
- 合う高さが分かったら、その厚みに近い枕を選ぶ
横向きでは肩幅の分だけ高さが必要になるため、あお向けと横向きの両方で確かめてください。
② 形:頭が安定して転がらないか

中央がくぼんだ形や、首元が高い形など。寝返りで頭が落ちにくいものが安心です。
形の種類
- 中央がくぼんだ形:頭が転がりにくく、あお向けで安定しやすい
- 首元が高い形:首のカーブを支える。あごが上がりやすい方に
- 横幅が広い形:寝返りで頭が落ちにくい
見落としやすい点
- 寝返りの回数は一晩で20〜30回ともいわれます。寝返りの途中で頭が落ちない幅があるか確認してください
- 肩まで乗せられる奥行きがあると、横向きで肩がつぶれにくくなります
③ 素材:好みの硬さ・通気性

低反発・高反発・パイプ・そばがら等。沈み込み具合と通気性が違うので、好みと季節で。
Avensのワンポイントアドバイス
枕のご相談で多いのは「高い枕を使っている」ケース。良かれと思って高めを選ぶと、首が前に曲がって肩こり・首こりの一因になることがあります。目安は「寝たとき目線がやや下、あごが上がらない」高さ。合わないと感じたら、タオルで高さを微調整してみるのも手です。
素材ごとの特徴
- 低反発:沈み込んでフィットする。暑がりの方は蒸れを感じることがあります
- 高反発:反発があり寝返りしやすい。硬めが好みの方に
- パイプ:通気性がよく高さ調整できるものが多い。音が気になる方もいます
- そばがら:通気性がよく硬め。手入れが必要です
- 羽毛・綿:柔らかいが、へたりで高さが変わりやすい
高さは「へたり」で変わります
どの素材でも、使ううちに高さは下がります。以前は合っていたのに朝つらくなってきた場合は、へたりで高さが足りなくなっている可能性があります。タオルを1枚敷いて様子を見てみてください。
マットレスとの関係
柔らかいマットレスでは身体が沈むため、同じ枕でも相対的に高くなります。マットレスを替えたあとに首がつらくなった場合は、枕の高さを見直してみてください。
注意点
- マットレスとの相性も影響します(沈み込みで高さが変わる)。マットレスの記事も参考に
- 首・肩の痛みが続く場合は、枕だけで判断せず医療機関にご相談を
よくある質問
Q1. 枕なしで寝るのはよくないですか?
あお向けで首のカーブが保てる方もいますが、多くの場合あごが上がって首の前側が伸びた状態になります。横向きでは肩幅の分の高さが必要になるため、枕なしは合いにくいとされています。
Q2. 高い枕のほうが首にいいと聞きました
高すぎる枕は、首を前に曲げた状態を一晩続けることになります。あごが上がらず、かつ引けすぎない高さが目安です。
Q3. 枕を変えたら合わない感じがします
数日で慣れることもありますが、朝のつらさが続く場合は高さが合っていない可能性があります。元の枕に戻し、タオルで少しずつ高さを変えて確かめてみてください。
Q4. いびきと枕は関係ありますか?
高すぎる枕であごが引けると、気道が狭くなることがあるとされています。ただしいびきの原因はさまざまなので、睡眠中に呼吸が止まる・日中に強い眠気がある場合は医療機関にご相談ください。
まとめ
枕選びは「高さ」が最重要。首の自然なカーブを支え、あごが上がらない高さを。形・素材は好みと寝返りのしやすさで。毎晩のことだけに、自分に合う一つを見つけましょう。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。首・肩の痛みが続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
参考にした情報源
本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。
※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。

