「在宅ワークになってから肩こり・腰痛がひどくなった」——理由の多くは、身体ではなく机・椅子・画面の高さにあります。
この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、在宅ワークで身体がつらくならない作業環境の整え方を解説します。グッズを買う前に、まず「高さ」を合わせましょう。
この記事の結論
- 整える順番は①椅子 → ②机 → ③画面。椅子から始めないとズレが連鎖します
- 足裏が床につかないなら、椅子を下げるのではなく足元に台を置く
- 買い替える前に、タオル・本・箱で高さを試せます
つらさの原因は「高さが合っていない」こと
会社のデスクと違い、自宅はダイニングテーブルやローテーブルで作業しがち。机が高すぎれば肩が上がり、低すぎれば背中が丸まり、画面が低ければ頭が前に出ます。この3つのズレが、肩こり・首こり・腰痛の土台になります。
整える順番:①椅子 → ②机 → ③画面
① 椅子:足裏が床につき、膝が90度前後

座ったとき足裏全体が床につき、膝と股関節がだいたい90度。深く座って骨盤を立てられる高さに。足が浮くなら足台や本で調整。座り方の基本は正しい座り方の記事を。
合わせ方
- 椅子に深く座り、背もたれに背中をつける
- 足裏全体が床につく高さに椅子を調整する
- 膝の角度が90度前後になっているか確認する
- 座面の先端と膝の裏に、指2〜3本分のすき間を空ける
足が床につかない場合
- 椅子を下げると机が相対的に高くなり、肩がすくみます
- 椅子はそのまま、足元に台を置くのが正解です
- 台がなければ、厚い本を重ねる・箱を置くで代用できます
座面が深すぎる場合
- 背中とのすき間にクッションやタオルを入れて、奥行きを調整する
② 机:ひじが90度で手が自然に乗る高さ

椅子の高さを決めてから、ひじを90度に曲げた高さに机の天板が来るように。高すぎるときは椅子を上げて足台を、低すぎるときは机の脚を上げる・台を敷くなどで調整します。
合わせ方
- 椅子の高さを決めたあと、ひじを90度に曲げる
- その手の高さに、机の天板がくるのが理想
- 机が高い場合は、椅子を上げて足元に台を置く
- 机が低い場合は、机の脚に高さ調整用の台を挟む
よくあるズレ
- 机が高い:肩がすくみ、首と肩がこりやすくなります
- 机が低い:前かがみになり、背中と腰に負担が出ます
- ダイニングテーブルは作業用より高いことが多く、長時間作業には向きません
③ 画面:上端が目の高さ、距離は腕1本分

ノートPCならスタンド+外付けキーボードで画面を上げる。画面の上端が目の高さ、距離は腕を伸ばしたくらいが目安。グッズの選び方は姿勢グッズの記事を。
Avensのワンポイントアドバイス
在宅ワークのご相談で、ご自宅の作業環境を写真で見せていただくと、ほぼ全員がダイニングテーブル+ノートPC直置き。椅子が低くて机が高い、画面は低い、という組み合わせです。高価な椅子より、足台・机の下に敷く台・PCスタンドの3つで数千円。まず高さを合わせてから、それでもつらければグッズを、が正解です。
合わせ方
- 画面の上端が目線か少し下に来る高さにする
- 画面との距離は、腕を伸ばして指先が画面に触れる程度(40〜70cm)
- ノートPCはスタンドで上げ、外付けキーボードを使う
- 書類は画面の横ではなく、画面の下に立てて置く
買う前に試せること(費用ゼロ)
- 椅子:座面にクッションを足して高さを調整
- 足元:厚い本を重ねて足台にする
- 画面:箱や本でノートPCを上げる
- 背中:丸めたタオルを腰に当てる
この状態で1〜2週間過ごし、楽になるかを確かめてから買うと失敗が減ります。「何cm上げると楽か」が分かってから選べるのが利点です。
高さを整えても、時間を区切る
どれだけ環境を整えても、同じ姿勢が続けば負担は蓄積します。1時間に1回立つことは、環境調整と同じくらい重要とされています。
注意点
- 環境を整えても1時間に1回は立つ。良い姿勢も固定すれば負担になる(座りすぎの記事)
- ソファやベッドでの作業は、短時間でも身体への負担が大きい
- しびれや強い痛みがある場合は環境調整より先に医療機関へ
よくある質問
Q1. ダイニングテーブルで仕事をしてもいいですか?
短時間なら問題ありませんが、ダイニングテーブルは作業用より高いことが多く、長時間では肩がすくみやすくなります。椅子にクッションを足し、足元に台を置くと負担が減ります。
Q2. 高い椅子を買えば解決しますか?
椅子だけ替えても、机と画面の高さが合っていなければズレが残ります。椅子→机→画面の順で全体を合わせることが前提です。
Q3. 床に座って作業するのはだめですか?
床座りは骨盤が後ろに倒れやすく、背中が丸まりやすい姿勢です。短時間ならよいですが、長時間の作業には向いていないとされています。
Q4. ノートPCだけで作業する場合は?
画面とキーボードが一体のため、どちらかに無理が出ます。外付けキーボードを足して画面を上げるのが、最も負担が減る組み合わせです。
まとめ
在宅ワークのつらさは、机・椅子・画面の高さのズレから。椅子→机→画面の順に高さを合わせるだけで、肩・首・腰の負担は変わります。高価なグッズより、まず「高さ」。そのうえで1時間に1回立つ習慣を。
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在宅ワークの肩こり・腰痛が気になる方へ。身体の使い方から見直したい方は、ご相談を承っています
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。痛み・しびれ・強い不調が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
参考にした情報源
本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。
※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。

