デスクワークやテレビで「気づいたら何時間も座りっぱなし」——実は座りすぎは、肩こり・腰痛・脚のむくみだけでなく、健康全体に関わるとされています。大切なのは「座らない」ことより、こまめに動きを挟むことです。
この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、座りすぎ(座りっぱなし)の健康リスクと、今日からできる対策・役立つグッズを解説します。無理なく続けられる形から始めましょう。
この記事の結論
- 大事なのは「座らない」ことではなく、こまめに動きを挟むこと
- 目安は30分〜1時間に一度立つ。立てない日は座ったまま動かすだけでもよい
- グッズは「動くきっかけ」を増やす目的で選ぶと失敗しにくい
座りすぎで起こりやすいこと
- 肩こり・腰痛・首の張り:同じ姿勢が続き筋肉がこわばる
- 脚のむくみ・冷え:ふくらはぎのポンプが働かず血流が滞りやすい
- 姿勢の崩れ:前かがみ・猫背が固定化しやすい
- 気分・集中の低下:長時間の同一姿勢は疲労感につながることも
脚のむくみが気になる方は足のむくみのセルフケアの記事もどうぞ。
対策① こまめに立つ・動く(いちばん大事)
研究でも、長く座り続けること自体が負担とされ、30分〜1時間に一度、立ち上がって少し動くことが推奨されています。トイレ・水分補給・軽い伸びなど、「立つ理由」を作るのがコツ。座ったままでもできる肩こりケアは座ったまま肩こりエクササイズの記事を。
「立つ理由」の作り方
- コップを小さくする(水を取りに行く回数が増えます)
- ゴミ箱・プリンターを席から離す
- 通話は立って行う
- 会議の冒頭か終わりに一度立つと決めておく
タイマーで知らせる方法もありますが、鳴っても止めて座り続けてしまう方が多いものです。立たないと用が済まない状況を作るほうが続きます。
立てないときに座ったままできる3つ
- かかとの上げ下げ 20回:ふくらはぎのポンプを動かす
- 骨盤を前後に5回:固まった腰に動きを戻す
- 肩甲骨を寄せて下げる 5秒×5回:背中のこわばりを防ぐ
対策② 座り方を整える
骨盤を立てて深く腰かけ、足裏を床につける——これだけで負担が変わります。詳しくは正しい座り方の記事、腰が気になる方は椅子の選び方の記事もどうぞ。
座り方のチェック(30秒)
- 足裏が両方とも床についているか
- ひざは約90度か(高すぎる椅子は骨盤が倒れます)
- お尻の下の硬い骨(座骨)に体重が乗っているか
- 画面の上端が目線か少し下にあるか
- ひじが約90度でキーボードに届くか
1つでも当てはまらないものがあれば、そこが優先して直す箇所です。椅子と机の高さは、グッズを買うより先に調整できることが多い部分です。
対策③ グッズで「動く・整える」を助ける
姿勢サポート系(クッション等)

骨盤を立てやすくするクッションや背当ては、良い姿勢を保つ助けになります。
むくみ・冷え対策系

足元のフットレストや着圧ソックスは、脚の血流ケアに。ふくらはぎを動かす習慣とセットで。
動くきっかけ系

デスク周りのグッズは「動く合図」にも。オフィス向けのケア用品はデスクワーク用グッズ5選の記事で詳しく紹介しています。
Avensのワンポイントアドバイス
「座りすぎが良くないのは分かるけど、仕事だと難しい」——本当によく聞きます。私がお伝えするのは「座る時間を減らす」より「動く回数を増やす」という発想。1時間に1回立つだけでも、身体は驚くほど変わります。グッズは我慢を減らす道具。まずは立ち上がる口実を1つ作るところから始めてみてください。
どれくらい座ると「座りすぎ」なのか
明確な線引きがあるわけではありませんが、連続して1時間以上動かない状態が繰り返されることが負担とされています。1日の合計時間より、連続時間を区切るほうが現実的です。
- 在宅勤務は通勤や移動がない分、連続時間が長くなりやすい
- 会議が続く日は、意識的に立つタイミングを決めておく
- 夜のテレビやスマホの時間も「座り続けている時間」に含まれます
1日の組み立て例
- 午前:1時間に1回、コップに水を汲みに立つ
- 昼:食後に5分だけ歩く
- 午後:会議の合間に肩甲骨を寄せて下げる5秒×5回
- 帰宅後:入浴後にふくらはぎと股関節の前を伸ばす
注意点
- 完璧を目指さない:1時間に1回でも十分効果的
- 痛み・しびれが続く場合は、無理をせず医療機関にご相談ください
よくある質問
Q. 立てないときはどうすれば?
座ったままでも、かかとの上げ下げ・足首まわし・肩回しで血流を促せます。小さな動きでも「動かす」ことが大切です。
Q. 立ち仕事なら問題ないですか?
立ちっぱなしも同じ姿勢が続くという点では負担になり、脚のむくみや腰の張りにつながることがあります。大切なのは立つか座るかではなく、姿勢を変える回数です。
Q. 昇降デスクは買ったほうがいいですか?
立つ時間を作りやすくなる道具ではありますが、買っても立たなければ変わりません。まずは箱などでパソコンを上げて1週間試し、立って作業する習慣が続きそうか確かめてから検討してください。
Q. 運動していれば座りすぎは相殺できますか?
運動の習慣があること自体は良いこととされていますが、長時間座り続ける負担が運動だけで打ち消せるとは限らないとされています。日中にこまめに動くことと、まとまった運動は別に考えてください。
まとめ
座りすぎ対策のカギは「動く回数を増やす」こと。30分〜1時間に一度立つ、座り方を整える、グッズで助ける——この3つを無理なく。小さな習慣が、肩こり・腰痛・むくみの予防につながります。
あわせて読みたい
- デスクワークの身体ケアグッズ5選|オフィス・在宅で使いやすい基本の5つと選び方
- 意外と知らない「正しい座り方」の基準とメリット
- 腰が気になる方へ|椅子の選び方と座り方のポイント
- デスクワークの合間にできる座ったまま肩こりエクササイズ
- 足のむくみを防ぐ・解消するセルフケア|原因と対策
- 座りっぱなし対策グッズ7選|悩み別の選び方と使う順番
- デスクワーク中にできる体幹トレーニング|座ったまま「ながら」で整える3つの方法
- オフィスでできる疲労回復|デスクワークの疲れをためない5つの習慣
- デスクワークの不調 完全ガイド|肩こり・腰痛・背中の張りの原因と対策
デスクワークの不調が気になる方へ。身体の使い方から見直したい方は、ご相談を承っています
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。痛み・しびれが続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
参考にした情報源
本記事は、以下の公的機関の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。
※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。

