筋肉痛はなぜ起こる?「乳酸がたまるから」が違う理由

運動の翌日に太ももの前に手を当てる人の水彩イラスト

「久しぶりに運動したら、翌日どころか翌々日に痛くなった」——よく知られているわりに、筋肉痛の仕組みはまだ完全には解明されていません。

この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、いまわかっている範囲での筋肉痛の仕組みと、和らげる方法を解説します。

この記事の結論

  • 「乳酸がたまるから」という説明は現在は否定されている
  • 筋肉が引き伸ばされながら力を出す動き(下る・降りる)で起きやすい
  • 痛みが1週間以上続く・尿の色が濃い場合は医療機関へ
目次

「乳酸がたまるから」ではありません

以前は乳酸が原因と説明されていましたが、乳酸は運動後1時間ほどで元の値に戻ることがわかっており、2〜3日続く筋肉痛の説明にはなりません。この説明は現在は使われなくなっています。

いま考えられている仕組み

有力とされているのは、筋肉に微細な損傷が起き、その後の炎症反応で痛みが出るという考え方です。損傷そのものより、あとから起きる炎症が痛みに関わるため、翌日〜翌々日に遅れて出ると説明されます。これを遅発性筋痛(DOMS)と呼びます。

とくに起きやすい動き

手すりを持って階段を下りる人の横向き水彩イラスト
階段や坂を下る動きで強く出やすい。筋肉が伸ばされながら力を出すため

筋肉が引き伸ばされながら力を出す動きで強く出ます。具体的には、

  • 階段や坂を下る(太ももの前)
  • しゃがんでいく途中で止める(スクワットの下ろす局面)
  • 重い物をゆっくり下ろす
  • 走ったあとの着地の繰り返し

逆に、平地を歩く・自転車をこぐといった動きでは出にくい傾向があります。

和らげる方法

① 軽く動かす

木立の道をゆっくり散歩する人の水彩イラスト
① じっとしているより、痛みのない範囲で軽く動かすほうが楽になりやすい

じっとしているより、痛みのない範囲で軽く動かすほうが楽になりやすいとされています。散歩やゆっくりしたストレッチで十分です。

② 温める

運動直後は冷やす場面もありますが、翌日以降の張りには温めるほうが楽に感じる方が多いです。使い分けは温冷グッズの記事を。

③ 睡眠と食事

夜ベッドで穏やかに眠る人の水彩イラスト
③ 回復は寝ている間に進む。特別なサプリより眠ることが基本

回復は寝ている間に進みます。特別なサプリより、眠ることとたんぱく質をとることが基本です。

予防できるのか

完全には防げませんが、同じ運動を繰り返すと筋肉痛は出にくくなります(反復効果)。久しぶりの運動でいきなり追い込まないこと、これが最大の予防です。運動の始め方は運動を始める前の記事を。

続けやすくする道具(なくてもできます)

筋肉痛のケアに道具は要りません。張りが強い日は温めるケアを足すと楽になることがあります。太ももやふくらはぎをほぐす道具を使う方法もありますが、痛む場所を強く押しすぎないこと。

Avensのワンポイントアドバイス

「筋肉痛が出ないと効いていない気がする」と言われることがありますが、筋肉痛の強さと効果は比例しません。慣れてくれば同じ運動でも出なくなりますし、それは効かなくなったという意味ではありません。目安にするなら、痛みではなく回数や深さが前より楽にこなせるかを見てください。

こんなときは医療機関へ

  • 痛みが1週間以上続く
  • 尿の色が濃い(コーラのような色)、強いだるさを伴う
  • 腫れや熱感が強い
  • 動かせないほどの痛みがある

よくある質問

Q1. 筋肉痛はなぜ翌日以降に出るのですか?

筋肉の微細な損傷のあとに起きる炎症反応が関わると考えられており、その反応が遅れて出るためとされています。

Q2. 乳酸がたまるからではないのですか?

乳酸は運動後1時間ほどで元の値に戻るため、2〜3日続く筋肉痛の説明にはなりません。現在この説明は使われていません。

Q3. 筋肉痛のときは休んだほうがいいですか?

じっとしているより、痛みのない範囲で軽く動かすほうが楽になりやすいとされています。

Q4. 筋肉痛が出ないと効果がないのですか?

いいえ。同じ運動を繰り返すと出にくくなりますが、効果がなくなったわけではありません。

まとめ

筋肉痛の原因は乳酸ではなく、微細な損傷とその後の炎症と考えられています。階段を下るような、筋肉が伸ばされながら力を出す動きで起きやすいもの。軽く動かす・温める・眠るが基本で、1週間以上続く場合や尿の色が濃い場合は医療機関へ。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。痛み・しびれ・強い不調が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

参考にした情報源

本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。

※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。

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運動後の痛みや張りが気になる方へ。身体に合った進め方を知りたい方は、ご相談を承っています

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この記事を書いた人

理学療法士。総合病院に勤務する現役の理学療法士として、姿勢・腰痛・肩こり・ストレッチなど、毎日の身体ケアに役立つ情報を分かりやすく発信しています。 詳しい経歴は執筆・監修者のページに掲載しています。

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