「反り腰と言われたけれど、猫背でもある気がする」——この2つは反対の姿勢のようでいて、同じ人に同時に起きます。
この記事では、総合病院にて勤務している現役の理学療法士として、反り腰と猫背の違い、見分け方、どちらを先にケアするかを解説します。
この記事の結論
- 反り腰は骨盤まわり、猫背は背中の上。場所が違うので同時に起こりうる
- 壁に背中をつけると、腰の隙間と頭の位置で見分けられる
- どちらもある場合は、土台である骨盤側から整える
見ている場所が違う
- 反り腰:骨盤が前に傾き、腰の反りが強い状態(反り腰の原因とセルフケア)
- 猫背:背中の上(胸椎)が丸まり、頭と肩が前に出る状態
- 巻き肩:猫背に伴って肩が内に入った状態(巻き肩の原因とセルフケア)
腰は反っているのに背中の上は丸い——これは矛盾ではなく、反った腰の上でバランスを取るために背中が丸まるという、よくある組み合わせです。姿勢が崩れる仕組み全体は姿勢が崩れる原因の記事を。
壁を使った見分け方

かかと・お尻・背中・後頭部を壁につけて立ちます。
- 腰と壁のすきまに手がすっぽり入る → 反り腰の傾向
- 後頭部が壁につかない/つけると苦しい → 猫背の傾向
- 両方当てはまる → 珍しくありません。下の順番で進めてください
どちらを先にケアするか
両方ある場合は骨盤側(反り腰)から整えます。土台が前に傾いたままだと、背中だけ伸ばしても戻りやすいためです。
① 骨盤を立て直す(反り腰側)

あお向けで膝を立て、息を吐きながらおなかを薄くへこませて10秒を5回。腰と床のすきまが軽く埋まる感覚を覚えます。
やり方(骨盤を立て直す)
- あお向けになり、両膝を立てる
- 腰と床のすきまに手を入れて、どれくらい空いているか確かめる
- 息を吐きながら、おなかを薄くへこませる
- すきまが軽く埋まる感覚を保ったまま、呼吸を続けて10秒
- ゆるめて一呼吸。5回
確認:腰を床に強く押しつけるのではなく、おなかの力ですきまが自然に減る感覚が目安です。
よくある間違い:お尻を締めて骨盤を持ち上げる → 腰ではなくお尻の運動になります。腰は床に置いたまま行ってください。
② 背中の上を反らす(猫背側)

椅子の背もたれに上背部を預け、頭の後ろで手を組んでゆっくり反らすを5回。
やり方(背中の上を反らす)
- 背もたれのある椅子に浅めに座る
- 背もたれの上端に、肩甲骨の下あたりを当てる
- 両手を頭の後ろに添える(引っ張らない)
- おなかを軽く締めたまま、息を吸いながらゆっくり上を向く
- 息を吐きながら戻る。5回
確認:動いているのが肩甲骨の間であること。腰と椅子のすきまが大きくなっていたら、腰で反っています。
③ 胸を開く
息を吸いながら両手を後ろに引いて10秒。デスクワークの合間にどうぞ(座ったまま肩こりエクササイズ)。
続けやすくする道具(なくてもできます)
道具は要りません。床が硬いと続かない方はタオルかマットを1枚。背中の上を反らすのが難しい方は、円柱状の道具を背中の下に置く方法もあります。
Avensのワンポイントアドバイス
「反り腰ですか、猫背ですか」と聞かれることがよくありますが、現場ではどちらか一方だけ、という方のほうが少ないです。大事なのは名前をつけることではなく、どこが動かなくなっているか。壁に背中をつけたときの腰の隙間と頭の位置——この2つを覚えておけば、自分で確かめられます。
頻度と順番
- ①→②→③の順で、1日1〜2回
- 1回あたり3〜5分。デスクワークの合間は③だけでも構いません
- 入浴後は動かしやすいタイミングです
2週間後に壁でもう一度確かめる
最初に行った壁チェックを、2週間後にもう一度やってみてください。
- 腰と壁のすきまが減っていれば、骨盤側が整ってきています
- 後頭部が壁につきやすくなっていれば、背中の上が動いてきています
- 変化が出にくい場合は、回数より日中の座り方を見直してください
こんなときは医療機関へ
- 姿勢を正すと痛みが強くなる
- しびれや力の入りにくさを伴う
- 背中の丸まりが急に強くなった
よくある質問
Q1. 反り腰と猫背は同時に起こりますか?
起こります。反った腰の上でバランスを取るために背中の上が丸まる、という組み合わせは珍しくありません。
Q2. どうやって見分けますか?
壁に背中をつけて立ち、腰と壁のすきまに手がすっぽり入れば反り腰の傾向、後頭部が壁につかなければ猫背の傾向です。
Q3. 両方ある場合はどちらを先にケアしますか?
骨盤側(反り腰)から整えてください。土台が前に傾いたままだと、背中だけ伸ばしても戻りやすくなります。
Q4. 姿勢を意識するだけで変わりますか?
意識だけでは続きにくいとされています。動かなくなっている場所を動かす運動と組み合わせてください。
Q5. 反り腰だと言われましたが腰は痛くありません
姿勢に傾向があっても、痛みが出ていなければすぐに問題とは限りません。姿勢の名前にとらわれず、動かしにくい場所があるかで判断してください。
Q6. お腹に力を入れ続けたほうがいいですか?
ずっと力を入れ続ける必要はありません。良い姿勢は力を入れ続ける姿勢ではなく、骨で支えて筋肉の負担が少ない位置とされています。疲れる場合は力みすぎのサインです。
まとめ
反り腰は骨盤まわり、猫背は背中の上。見ている場所が違うので同時に起こります。壁に背中をつけて、腰のすきまと頭の位置で見分けてください。両方ある場合は骨盤側から整えるのが順番です。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、診断・治療を行うものではありません。痛み・しびれ・強い不調が続く場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。
参考にした情報源
本記事は、以下の公的機関・学会の公開情報を参考に、一般読者向けに分かりやすく再構成したものです。
※内容はあくまで一般的な目安です。年齢・既往歴・症状により適切な対応は異なります。気になる症状がある場合は、医師・理学療法士などの専門職にご相談ください。
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